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マーモット村「触れない優しさで、命を守るということ」

マーモット村「触れない優しさで、命を守るということ」

【父の死と、マーモットとの出会い】僕は、父を突然亡くしました。恩返しをしたいと思っていた矢先のことでした。コロナ禍の最中で、通夜にも葬儀にも立ち会えず、お別れの言葉さえ伝えられませんでした。家族も自分も心を失ったような日々。そのとき、SNSで見かけたのがマーモットという生き物でした。どこか父の面影を感じました。人のような表情で、虚無なのに優しく、見ているだけで呼吸が楽になる存在でした。マーモットに癒されていくうちに、「人の都合で失われてしまう、こんな小さな命を守りたい」と思うようになりました。それが、今の活動のはじまりです。 【マーモット村という場所の意味】 マーモット村は、世界でいちばんマーモットが幸せに過ごせる場所を目指してつくられています。ここでは、抱っこや触れ合いを禁止しています。なぜなら、触れないことがいちばん優しいことだと知ったからです。 ・抱っこや直接接触は禁止・フラッシュや大きな音、強い香水も禁止・温度・湿度・食事・日照・運動を個体ごとに管理・売上は医療・飼育・保護活動の維持に充てられています これまで僕が監修した商品や書籍、メーカーさんと一緒に作ったぬいぐるみ、靴下、フィギュア、写真集など、それらすべてにおいて、印税やライセンス料など1円も受け取っていません。僕が関わる目的は、マーモットの魅力を広く知ってもらうこと。お金ではなく、「伝えること」と「作品のクオリティを高めること」が自分の役割だと思っています。一部のメーカーさんからは、商品をマーモット村に寄付していただき、その販売分の売上はすべて医療費・保護費・施設維持費に充てています。マーモットを通じて利益を得ることは、僕のポリシーに反します。だから、マーモットからお金はもらわない。それが、僕の中の小さなけじめです。この気持ちを知ったうえで、まもちたちのグッズを手にとってもらえたら嬉しいです。その商品ひとつひとつが、マーモットを守る力になっています。 【海外で見た現実】活動を始めてから、中国のブリード施設を訪れました。そこでは、マーモットが商品や家畜として扱われ、信じられないような光景がありました。2025年10月のある日。SNSで、マーモットが生きたまま熱湯に入れられ、皮を剥がされる動画を見ました。中国ではマーモットが食用とされる文化があります。文化の違いを否定するつもりはありません。けれど、あの映像にあったのは文化ではなく、命の冒涜でした。苦しむ様子を笑いながら撮影し、SNSで拡散する。それは「食文化」ではなく、「命の軽視」です。映像を見て、まもちの顔が浮かびました。そして、父を思い出しました。失った命、守れなかった後悔。スマホを閉じて、海へ行きました。波を見ながら、考えました。来る波と戻る波がぶつかると、波は止まります。でも、重なれば足元まで届く。人の想いも、波のように重なれば遠くまで届く。同じ方向を見て、足並みをそろえれば、きっと世界は変えられる。 【僕が見てきた小さな命たち】マーモット村にいる子たちを見てみてください。人懐っこく甘える子もいれば、臆病で距離をとる子もいます。手足や指を失った子もいます。向こうでは、そうした子たちは「売れない」「食べ物にもならない」とされ、ご飯すらもらえず、ゴミのように扱われてしまいます。生後1年を迎えるマーモットはわずか1割。9割はその前に命を落とします。7月、中国のブリード施設で10匹の赤ちゃんマーモットを見ました。人間の肩幅ほどの金網のケージに入れられ、その上には大人のマーモットたちのケージ。赤ちゃんの細い手足が金網の隙間から下に出て、下の大人たちはそれを餌と勘違いして噛みちぎってしまう。3匹の赤ちゃんは手足を失い、出血し、震えながら威嚇をしていました。助けられたのは残りの7匹。輸出入検疫の手続きを経て、7月に全員を日本へ連れ帰りました。灼熱の陸路を越え、空輸を経て、1匹も死なせずに守ることができました。 【迎えた7匹と、続いた日々】東京のマーモット村はスペースも人員も限界でした。だから僕は、自宅で7匹の世話を始めました。おもち、プク、まもちと一緒に。朝から晩まで掃除と投薬、週2〜3回の通院。向こうでの環境が悪かったため、ストレスも強く、糞尿の匂いは激しく、最初は近づくだけで警戒されました。それでも毎日、声をかけ、見守り続けました。やがて、固まって眠っていた子たちが、少しずつお腹を見せて寝るようになりました。それが、僕の救いでした。でも、1人では十分な愛情を注ぐことはできませんでした。今も、人間への不信感を持つ子がいます。だからこそ、マーモット村を訪れる方にお願いがあります。どうか、温かい目で見守ってください。人間は怖くないんだよ、と優しくおやつを差し出してあげてください。 その積み重ねが、マーモットたちの幸せに変わります。そして、それが僕にとっての救いでもあります。 【今できること、これからの決意】僕はこれからも、目の前にいる命をすべて救います。広さや人員の問題があっても、救わねばならない命があれば迷いません。もちろん、そうならないための対策も行っています。パートナー企業への飼育方法の改善依頼、不適切な環境のマーモットの引き取り、密猟・過密飼育・虐待の通報。現地行政と連携し、日々改善を求めています。それでも、すぐには変わらないのが現実です。だからこそ、今この瞬間に苦しむ子がいれば、僕は迷わず行動します。マーモット村は、ただのアニマルカフェではありません。人と動物の間に「優しさの文化」をつくるための場所です。 【最後に】マーモットたちは、今日も静かに息づいています。甘える子もいれば、まだ人を信じきれない子もいる。でも、確かに、生きています。そして、海で見たあの日の波のように、みんなの優しさが重なれば、世界はきっと、もう少し穏やかになる。 世界中のマーモットが幸せに暮らせますように。   (保護時のカステラちゃんとココアちゃんの様子)   (現在のカステラちゃんとココアちゃんの様子)  (現在のマーモット村の様子)    

マーモット村「触れない優しさで、命を守るということ」

【父の死と、マーモットとの出会い】僕は、父を突然亡くしました。恩返しをしたいと思っていた矢先のことでした。コロナ禍の最中で、通夜にも葬儀にも立ち会えず、お別れの言葉さえ伝えられませんでした。家族も自分も心を失ったような日々。そのとき、SNSで見かけたのがマーモットという生き物でした。どこか父の面影を感じました。人のような表情で、虚無なのに優しく、見ているだけで呼吸が楽になる存在でした。マーモットに癒されていくうちに、「人の都合で失われてしまう、こんな小さな命を守りたい」と思うようになりました。それが、今の活動のはじまりです。 【マーモット村という場所の意味】 マーモット村は、世界でいちばんマーモットが幸せに過ごせる場所を目指してつくられています。ここでは、抱っこや触れ合いを禁止しています。なぜなら、触れないことがいちばん優しいことだと知ったからです。 ・抱っこや直接接触は禁止・フラッシュや大きな音、強い香水も禁止・温度・湿度・食事・日照・運動を個体ごとに管理・売上は医療・飼育・保護活動の維持に充てられています これまで僕が監修した商品や書籍、メーカーさんと一緒に作ったぬいぐるみ、靴下、フィギュア、写真集など、それらすべてにおいて、印税やライセンス料など1円も受け取っていません。僕が関わる目的は、マーモットの魅力を広く知ってもらうこと。お金ではなく、「伝えること」と「作品のクオリティを高めること」が自分の役割だと思っています。一部のメーカーさんからは、商品をマーモット村に寄付していただき、その販売分の売上はすべて医療費・保護費・施設維持費に充てています。マーモットを通じて利益を得ることは、僕のポリシーに反します。だから、マーモットからお金はもらわない。それが、僕の中の小さなけじめです。この気持ちを知ったうえで、まもちたちのグッズを手にとってもらえたら嬉しいです。その商品ひとつひとつが、マーモットを守る力になっています。 【海外で見た現実】活動を始めてから、中国のブリード施設を訪れました。そこでは、マーモットが商品や家畜として扱われ、信じられないような光景がありました。2025年10月のある日。SNSで、マーモットが生きたまま熱湯に入れられ、皮を剥がされる動画を見ました。中国ではマーモットが食用とされる文化があります。文化の違いを否定するつもりはありません。けれど、あの映像にあったのは文化ではなく、命の冒涜でした。苦しむ様子を笑いながら撮影し、SNSで拡散する。それは「食文化」ではなく、「命の軽視」です。映像を見て、まもちの顔が浮かびました。そして、父を思い出しました。失った命、守れなかった後悔。スマホを閉じて、海へ行きました。波を見ながら、考えました。来る波と戻る波がぶつかると、波は止まります。でも、重なれば足元まで届く。人の想いも、波のように重なれば遠くまで届く。同じ方向を見て、足並みをそろえれば、きっと世界は変えられる。 【僕が見てきた小さな命たち】マーモット村にいる子たちを見てみてください。人懐っこく甘える子もいれば、臆病で距離をとる子もいます。手足や指を失った子もいます。向こうでは、そうした子たちは「売れない」「食べ物にもならない」とされ、ご飯すらもらえず、ゴミのように扱われてしまいます。生後1年を迎えるマーモットはわずか1割。9割はその前に命を落とします。7月、中国のブリード施設で10匹の赤ちゃんマーモットを見ました。人間の肩幅ほどの金網のケージに入れられ、その上には大人のマーモットたちのケージ。赤ちゃんの細い手足が金網の隙間から下に出て、下の大人たちはそれを餌と勘違いして噛みちぎってしまう。3匹の赤ちゃんは手足を失い、出血し、震えながら威嚇をしていました。助けられたのは残りの7匹。輸出入検疫の手続きを経て、7月に全員を日本へ連れ帰りました。灼熱の陸路を越え、空輸を経て、1匹も死なせずに守ることができました。 【迎えた7匹と、続いた日々】東京のマーモット村はスペースも人員も限界でした。だから僕は、自宅で7匹の世話を始めました。おもち、プク、まもちと一緒に。朝から晩まで掃除と投薬、週2〜3回の通院。向こうでの環境が悪かったため、ストレスも強く、糞尿の匂いは激しく、最初は近づくだけで警戒されました。それでも毎日、声をかけ、見守り続けました。やがて、固まって眠っていた子たちが、少しずつお腹を見せて寝るようになりました。それが、僕の救いでした。でも、1人では十分な愛情を注ぐことはできませんでした。今も、人間への不信感を持つ子がいます。だからこそ、マーモット村を訪れる方にお願いがあります。どうか、温かい目で見守ってください。人間は怖くないんだよ、と優しくおやつを差し出してあげてください。 その積み重ねが、マーモットたちの幸せに変わります。そして、それが僕にとっての救いでもあります。 【今できること、これからの決意】僕はこれからも、目の前にいる命をすべて救います。広さや人員の問題があっても、救わねばならない命があれば迷いません。もちろん、そうならないための対策も行っています。パートナー企業への飼育方法の改善依頼、不適切な環境のマーモットの引き取り、密猟・過密飼育・虐待の通報。現地行政と連携し、日々改善を求めています。それでも、すぐには変わらないのが現実です。だからこそ、今この瞬間に苦しむ子がいれば、僕は迷わず行動します。マーモット村は、ただのアニマルカフェではありません。人と動物の間に「優しさの文化」をつくるための場所です。 【最後に】マーモットたちは、今日も静かに息づいています。甘える子もいれば、まだ人を信じきれない子もいる。でも、確かに、生きています。そして、海で見たあの日の波のように、みんなの優しさが重なれば、世界はきっと、もう少し穏やかになる。 世界中のマーモットが幸せに暮らせますように。   (保護時のカステラちゃんとココアちゃんの様子)   (現在のカステラちゃんとココアちゃんの様子)  (現在のマーモット村の様子)    

マーモットカフェ(マーモットの保護活動)

マーモットカフェ(マーモットの保護活動)

久しぶりに今の気持ちを綴ります。 このブログを見ている方は、僕が今までブログに綴っていたことを見てくださっている方や、マーモットに対する愛をお持ちだったり、マーモットカフェに疑問を感じている方だと思います。 ここにたどり着いた方々に、知っていただければそれだけで十分です。この問題に、本気で向き合っていただける方に知ってもらえるだけで、マーモットの未来は大きく変わります。 マーモットカフェ、僕にとってはマーモットの保護施設です。じゃあなぜマーモット保護施設「マーモット村」にしなかったの?と言われるかもしれません。これには大きな理由があります。 このブログを見る前、マーモットについて深く考える前に、マーモットに対してどういう印象がありましたか?大草原にいてご飯をもらって食べている姿?海外の人に飼われていてシャワーをされている姿が可愛い様子?人間らしく、むちむちもふもふした存在?どれも真実です。どの子達も、一生懸命、その環境で生きている子達です。 マーモットには2種類の子達がいます。ひとつは自然下で太陽の光を浴びながらも、天敵から身を隠し、越冬のために脂肪を蓄え、生命活動を全うしようとする子達。一歩では、飼育下で室内や半室内で、太陽すら見れず、閉ざされた空間で生きる子達。そこから販売されて、ワンちゃんや猫ちゃんのように可愛がられる子もいれば、食料にされたり、家畜にされてしまう子もいます。 現在、海外には輸出を行うマーモットのブリーダーが3社あります。オランダ、アメリカ、中国でそれぞれ1社ずつあります。ここで繁殖、飼育されている子は幸せだと思いますか?実は、僕はこの子達が幸せに暮らせているとは思っていません。同時に、自然下で過ごすマーモットたちが幸せに暮らしているとも思っていません。 自然で生きるということは、弱肉強食の世界であること、食料が見つからなければ飢え死にしてしまうということ、これは自然の摂理上、僕も理解しています。ですが、僕は、「世界中のマーモットが幸せに暮らせること」を目的に活動しています。 飼育下でも、自然下でも幸せだと思ってないのに、どうやって幸せにするんだ!と思われるかもしれません。僕の中での、彼らにとっての幸せは、それぞれで生きるメリットを実現させた環境です。 ・天敵がおらず、寿命を全うできること・冬期の食料不足に備えてたくさん食べて蓄えて冬眠したときに、栄養不足で亡くなってしまわないこと・飼育下でもマーモット本来の生態活動が行えること・栄養、運動、温度、日光のいずれも十分に与えられること これらがすべて整ってこそ、マーモットが幸せに暮らせることだと思います。 前提をお伝えしたので、ここから本題に入ります。 僕は、これまで、「世界中のマーモットを幸せにすること」を目的に、密猟問題が深刻な中国のマーモット自然公園や、マーモットの虐待問題が深刻な山東省のブリード施設へ赴きました。そこでは、マーモットの扱いが、想像を絶するほど残酷です。中国国内の文化の違いもあるかもしれませんが、動物好きな人達が集まっているような会社でも、動物に負担を与えるような接し方、振る舞いをしています。マーモットは、強い歯や鋭い爪を持っているため、しっぽを持って運ぶのが当たり前、少しでも動くと振り回して遠心力で顔が手に届かないようにするなど、明らかな身体的、精神的負担を感じているマーモットがほとんどです。 唯一、日本へマーモットが輸出可能な企業は、オランダ、アメリカ、中国にあると先に述べました。中国の企業で、動物を愛している企業でも、上記のような扱いが当たり前になっています。これは文化の違いなので、根本的な解決はできないかもしれませんが、マーモットの負担になるので正しい接し方を気づくたびに伝えています。マーモットのブリード施設には、元気で自由気ままに過ごす子もいれば、隅っこで全身に力がはいったまま怯えている子もいます。本来仲間に危害を加えることのないマーモットでも、怯える子は、仲間すら敵だと思ってしまい、反射的に攻撃をしてしまうこともあります。その結果、体の一部に怪我をしたり、欠損したりしてしまう子もいます。その場合、その子達は、販売ができないと判断されて、販売ができないと判断され、治療を受けることなく、最後の時を迎えます。そういった子は今後どうなるのか、病院には連れて行かれず、そのまま亡くなるのを待つだけにされてしまいます。 僕は上記のような光景や事実を目の当たりにしました。見てしまった以上、知ってしまった以上、目の前の命を放置することはできません。日本の動物医療を受けさせて救いたいという一心で胸がいっぱいになりました。このような子達はたくさんいます。目の前の命すら助けられない自分が、世界中のマーモットを幸せにすることはできません。僕はこのようなハンデのある子を受け入れて、日本の治療を受けさせることにしました。齧歯類の輸出、輸入は非常に厳しい規則がありますが、どれも問題ないことを確認し、無事にその子達は日本に来てくれました。 しかし、ハンデを持った子達は、同じマーモットですら敵だと認識してしまい、とても暴力的になってしまいます。日本の動物医療を受けさせたいという助けたい一心で、自身の貯蓄を切り崩しお世話をしています。それでも、我々人間には心をひらいてくれません。人間=痛みという認識を本能的にしていたんだと思います。それでも諦めず、病院に通い続け、今ではハンデのある子達みんなが無事に回復してくれました。それでも、なかなか距離が縮まることはありません。 マーモットの怪我の様子が写っています。閲覧注意となりますが、次の写真を見ていただきたいです。   上の写真はハーちゃん、下の写真はレフトちゃんです。ハーちゃんは近づくだけ、目が合うだけで、ハーハーと威嚇し、牙を向いてしまうのでハーさん、レフトちゃんは左足に怪我を負っていたので仮の名前で名付けていました。 ハーちゃんは、右前足が欠損していて、レフトちゃんは左後ろ足が欠損しています。どちらも血だらけで、化膿していて、ハーちゃんに関しては通常の2〜3倍に腫れ上がっていました。 約3ヶ月の治療の結果、この子達の怪我はほぼ完治しました。これまでのマーモットに関する活動で、気づけば数百万円近くの支出がありました。しかし、目の前の命を救うことができたので、意味のある遣い方ができたと思っています。 このような子達は、ほんの一部です。海外のマーモットブリーダーは、各国で1社しかないこともあり、販売のためには飼育繁殖を行い、販売できるようになればすぐに売り出します。売り出されたら、その子達が適切な環境に行くのかもわかりません。日本では、既にマーモットを展示している施設がいくつかありますが、先に述べた栄養、運動、温度、日光のすべての条件がすべて満たされた施設は極めて少ないのです。 そのため、海外で販売情報が出されればすぐに、マーモット株式会社さんに協力していただき、買い取って保護することにしています。買い取ったら、そのブリーダーにお金が入り、ずっと続くじゃないかと思われるかもしれません。確かに、これを続ければブリーダーが私腹を肥やし、こちら側が資金が尽きたり、キャパオーバーになると思います。こうならないように、各国の担当行政には、マーモットの密猟問題解決に向けた取り組みの提案、飼育基準の厳正化や、輸出制限を設けるように日々、意見を提出しています。各国の行政が動いてくれるまでは、目の前の命を救うためにも、今の状況を続けなければならないと思っています。 これらの取り組みを、僕とマーモット株式会社さんだけが行っても、資金が尽きたり、キャパオーバーで飼育がしきれないことになってしまいます。そうならないよう、マーモットカフェ「マーモット村」という名前で、マーモットの保護施設を作ろうという決断に至りました。マーモット村で働くスタッフさんたちは、普段から僕のSNS活動を見てくださっている方で、マーモット愛があり、この状況を知ってくださっている方たちです。 マーモットの保護施設とだけうたってしまうと、国内でも珍しい「マーモット」という言葉だけでも怪しいのに、「保護施設」というと、現状の問題を知らない人たちからすると更に不信感を抱かれ、お客様にきていただけないと判断しました。僕自身、学生時代に保護犬・保護猫のボランティア活動をしていたこともあり、「保護」という言葉を使って、よからぬことをする団体を見てきました。そのため、表向きにはこれらの言葉を使いたくありませんでした。純粋にマーモットを愛し、可愛がっておられる方に、このような現実を突きつけてしまうのも自分の中で納得がいきませんでした。 今では、マーモットがより多くの方に認知され、愛され、これらのマーモットの問題に真摯に向き合っていただける方が増えればいいと思っています。そして、マーモットカフェの売上は、この保護施設の維持やスタッフさんへのお給料、今後の保護活動に充てられればと思っています。実際のところ、マーモット村は、マーモットへの負担が少しでも減らせるよう、入場人数を極めて規制しながらも、ふれあいを行わず、離れたところからマーモットたちをみてもらえるようにしています。そのため、利益が得られるかというと、今では施設の維持やこれまでの費用に充てられるかどうかもわからない状況です。しかし、自分たちだけの蓄えでは到底これらの活動を続けることはできません。数人で保護したマーモットたちのお世話をするのも物理的に困難です。 こんな背景や理由があるなら、全部最初から伝えて、活動していればよかったじゃないか!と思われる方もいらっしゃると思います。もちろん、その道も考えました。しかし、先に述べたとおり、学生時代のボランティア活動での経験や、自分自身のマーモットに対する気持ちから、マーモットのネガティブな情報や、目を覆いたくなる現実は、大々的に発信したくありませんでした。 僕は、若い頃にたくさん迷惑をかけてしまった父を、2年前のある日、急に亡くしました。恩返しがしたくて上京し、父の憧れの場所でセカンドライフを送ってもらいたいという気持ちで日々仕事に明け暮れていましたが、恩返しの一つとしてプレゼントした東京旅行時にコロナに罹患し、数カ月後に後遺症が原因なのか、職場で心臓病が発症し、救急搬送先で息を引き取りました。父の通夜、葬儀のときには、自分もコロナを患ってしまい、高齢な祖母がいる葬儀場にも行けず、直接のお別れもできず、逝かせてしまいました。自分も残された家族も絶望のなか、SNSで現れたのが、どこか父の面影を感じさせるマーモットだったのです。いつしか、僕はマーモットと父を重ねていました。家族にマーモットの存在を伝えると、失った笑顔も徐々に戻りました。YouTubeで海外で飼われているマーモットやSNSで国内で飼われているマーモットを見ていたこともあり、僕もマーモットと生活して、小さい頃に見た温かい家族を取り戻したいと思うようになりました。 これらの背景があったため、マーモットに救われている人たちに、マーモットの虐待や密猟の闇を簡単に伝えてしまうと、さらに辛い世界を味わってしまうのではないかと思っていました。僕や家族が絶望のなか、マーモットから生きがいをもらっていたときに、これらの事実を知ってしまっていたら、僕たち家族はすぐにマーモットから目を背け、自分たちが生きることに精一杯になっていたと思います。 以上が、僕が行ってきたマーモットの保護活動と、あえてマーモットカフェという言葉を使い、マーモットの闇を発信するタイミングを考えていた経緯です。このブログを見て、少しでもマーモットの現実を見ていただける方が増えると嬉しいです。ふと、自分の気持ちをアウトプットしようとつづった文章なので、見苦しい文章になっていると思いますが、僕なりの正義、考え方を知っていただけると本望です。...

マーモットカフェ(マーモットの保護活動)

久しぶりに今の気持ちを綴ります。 このブログを見ている方は、僕が今までブログに綴っていたことを見てくださっている方や、マーモットに対する愛をお持ちだったり、マーモットカフェに疑問を感じている方だと思います。 ここにたどり着いた方々に、知っていただければそれだけで十分です。この問題に、本気で向き合っていただける方に知ってもらえるだけで、マーモットの未来は大きく変わります。 マーモットカフェ、僕にとってはマーモットの保護施設です。じゃあなぜマーモット保護施設「マーモット村」にしなかったの?と言われるかもしれません。これには大きな理由があります。 このブログを見る前、マーモットについて深く考える前に、マーモットに対してどういう印象がありましたか?大草原にいてご飯をもらって食べている姿?海外の人に飼われていてシャワーをされている姿が可愛い様子?人間らしく、むちむちもふもふした存在?どれも真実です。どの子達も、一生懸命、その環境で生きている子達です。 マーモットには2種類の子達がいます。ひとつは自然下で太陽の光を浴びながらも、天敵から身を隠し、越冬のために脂肪を蓄え、生命活動を全うしようとする子達。一歩では、飼育下で室内や半室内で、太陽すら見れず、閉ざされた空間で生きる子達。そこから販売されて、ワンちゃんや猫ちゃんのように可愛がられる子もいれば、食料にされたり、家畜にされてしまう子もいます。 現在、海外には輸出を行うマーモットのブリーダーが3社あります。オランダ、アメリカ、中国でそれぞれ1社ずつあります。ここで繁殖、飼育されている子は幸せだと思いますか?実は、僕はこの子達が幸せに暮らせているとは思っていません。同時に、自然下で過ごすマーモットたちが幸せに暮らしているとも思っていません。 自然で生きるということは、弱肉強食の世界であること、食料が見つからなければ飢え死にしてしまうということ、これは自然の摂理上、僕も理解しています。ですが、僕は、「世界中のマーモットが幸せに暮らせること」を目的に活動しています。 飼育下でも、自然下でも幸せだと思ってないのに、どうやって幸せにするんだ!と思われるかもしれません。僕の中での、彼らにとっての幸せは、それぞれで生きるメリットを実現させた環境です。 ・天敵がおらず、寿命を全うできること・冬期の食料不足に備えてたくさん食べて蓄えて冬眠したときに、栄養不足で亡くなってしまわないこと・飼育下でもマーモット本来の生態活動が行えること・栄養、運動、温度、日光のいずれも十分に与えられること これらがすべて整ってこそ、マーモットが幸せに暮らせることだと思います。 前提をお伝えしたので、ここから本題に入ります。 僕は、これまで、「世界中のマーモットを幸せにすること」を目的に、密猟問題が深刻な中国のマーモット自然公園や、マーモットの虐待問題が深刻な山東省のブリード施設へ赴きました。そこでは、マーモットの扱いが、想像を絶するほど残酷です。中国国内の文化の違いもあるかもしれませんが、動物好きな人達が集まっているような会社でも、動物に負担を与えるような接し方、振る舞いをしています。マーモットは、強い歯や鋭い爪を持っているため、しっぽを持って運ぶのが当たり前、少しでも動くと振り回して遠心力で顔が手に届かないようにするなど、明らかな身体的、精神的負担を感じているマーモットがほとんどです。 唯一、日本へマーモットが輸出可能な企業は、オランダ、アメリカ、中国にあると先に述べました。中国の企業で、動物を愛している企業でも、上記のような扱いが当たり前になっています。これは文化の違いなので、根本的な解決はできないかもしれませんが、マーモットの負担になるので正しい接し方を気づくたびに伝えています。マーモットのブリード施設には、元気で自由気ままに過ごす子もいれば、隅っこで全身に力がはいったまま怯えている子もいます。本来仲間に危害を加えることのないマーモットでも、怯える子は、仲間すら敵だと思ってしまい、反射的に攻撃をしてしまうこともあります。その結果、体の一部に怪我をしたり、欠損したりしてしまう子もいます。その場合、その子達は、販売ができないと判断されて、販売ができないと判断され、治療を受けることなく、最後の時を迎えます。そういった子は今後どうなるのか、病院には連れて行かれず、そのまま亡くなるのを待つだけにされてしまいます。 僕は上記のような光景や事実を目の当たりにしました。見てしまった以上、知ってしまった以上、目の前の命を放置することはできません。日本の動物医療を受けさせて救いたいという一心で胸がいっぱいになりました。このような子達はたくさんいます。目の前の命すら助けられない自分が、世界中のマーモットを幸せにすることはできません。僕はこのようなハンデのある子を受け入れて、日本の治療を受けさせることにしました。齧歯類の輸出、輸入は非常に厳しい規則がありますが、どれも問題ないことを確認し、無事にその子達は日本に来てくれました。 しかし、ハンデを持った子達は、同じマーモットですら敵だと認識してしまい、とても暴力的になってしまいます。日本の動物医療を受けさせたいという助けたい一心で、自身の貯蓄を切り崩しお世話をしています。それでも、我々人間には心をひらいてくれません。人間=痛みという認識を本能的にしていたんだと思います。それでも諦めず、病院に通い続け、今ではハンデのある子達みんなが無事に回復してくれました。それでも、なかなか距離が縮まることはありません。 マーモットの怪我の様子が写っています。閲覧注意となりますが、次の写真を見ていただきたいです。   上の写真はハーちゃん、下の写真はレフトちゃんです。ハーちゃんは近づくだけ、目が合うだけで、ハーハーと威嚇し、牙を向いてしまうのでハーさん、レフトちゃんは左足に怪我を負っていたので仮の名前で名付けていました。 ハーちゃんは、右前足が欠損していて、レフトちゃんは左後ろ足が欠損しています。どちらも血だらけで、化膿していて、ハーちゃんに関しては通常の2〜3倍に腫れ上がっていました。 約3ヶ月の治療の結果、この子達の怪我はほぼ完治しました。これまでのマーモットに関する活動で、気づけば数百万円近くの支出がありました。しかし、目の前の命を救うことができたので、意味のある遣い方ができたと思っています。 このような子達は、ほんの一部です。海外のマーモットブリーダーは、各国で1社しかないこともあり、販売のためには飼育繁殖を行い、販売できるようになればすぐに売り出します。売り出されたら、その子達が適切な環境に行くのかもわかりません。日本では、既にマーモットを展示している施設がいくつかありますが、先に述べた栄養、運動、温度、日光のすべての条件がすべて満たされた施設は極めて少ないのです。 そのため、海外で販売情報が出されればすぐに、マーモット株式会社さんに協力していただき、買い取って保護することにしています。買い取ったら、そのブリーダーにお金が入り、ずっと続くじゃないかと思われるかもしれません。確かに、これを続ければブリーダーが私腹を肥やし、こちら側が資金が尽きたり、キャパオーバーになると思います。こうならないように、各国の担当行政には、マーモットの密猟問題解決に向けた取り組みの提案、飼育基準の厳正化や、輸出制限を設けるように日々、意見を提出しています。各国の行政が動いてくれるまでは、目の前の命を救うためにも、今の状況を続けなければならないと思っています。 これらの取り組みを、僕とマーモット株式会社さんだけが行っても、資金が尽きたり、キャパオーバーで飼育がしきれないことになってしまいます。そうならないよう、マーモットカフェ「マーモット村」という名前で、マーモットの保護施設を作ろうという決断に至りました。マーモット村で働くスタッフさんたちは、普段から僕のSNS活動を見てくださっている方で、マーモット愛があり、この状況を知ってくださっている方たちです。 マーモットの保護施設とだけうたってしまうと、国内でも珍しい「マーモット」という言葉だけでも怪しいのに、「保護施設」というと、現状の問題を知らない人たちからすると更に不信感を抱かれ、お客様にきていただけないと判断しました。僕自身、学生時代に保護犬・保護猫のボランティア活動をしていたこともあり、「保護」という言葉を使って、よからぬことをする団体を見てきました。そのため、表向きにはこれらの言葉を使いたくありませんでした。純粋にマーモットを愛し、可愛がっておられる方に、このような現実を突きつけてしまうのも自分の中で納得がいきませんでした。 今では、マーモットがより多くの方に認知され、愛され、これらのマーモットの問題に真摯に向き合っていただける方が増えればいいと思っています。そして、マーモットカフェの売上は、この保護施設の維持やスタッフさんへのお給料、今後の保護活動に充てられればと思っています。実際のところ、マーモット村は、マーモットへの負担が少しでも減らせるよう、入場人数を極めて規制しながらも、ふれあいを行わず、離れたところからマーモットたちをみてもらえるようにしています。そのため、利益が得られるかというと、今では施設の維持やこれまでの費用に充てられるかどうかもわからない状況です。しかし、自分たちだけの蓄えでは到底これらの活動を続けることはできません。数人で保護したマーモットたちのお世話をするのも物理的に困難です。 こんな背景や理由があるなら、全部最初から伝えて、活動していればよかったじゃないか!と思われる方もいらっしゃると思います。もちろん、その道も考えました。しかし、先に述べたとおり、学生時代のボランティア活動での経験や、自分自身のマーモットに対する気持ちから、マーモットのネガティブな情報や、目を覆いたくなる現実は、大々的に発信したくありませんでした。 僕は、若い頃にたくさん迷惑をかけてしまった父を、2年前のある日、急に亡くしました。恩返しがしたくて上京し、父の憧れの場所でセカンドライフを送ってもらいたいという気持ちで日々仕事に明け暮れていましたが、恩返しの一つとしてプレゼントした東京旅行時にコロナに罹患し、数カ月後に後遺症が原因なのか、職場で心臓病が発症し、救急搬送先で息を引き取りました。父の通夜、葬儀のときには、自分もコロナを患ってしまい、高齢な祖母がいる葬儀場にも行けず、直接のお別れもできず、逝かせてしまいました。自分も残された家族も絶望のなか、SNSで現れたのが、どこか父の面影を感じさせるマーモットだったのです。いつしか、僕はマーモットと父を重ねていました。家族にマーモットの存在を伝えると、失った笑顔も徐々に戻りました。YouTubeで海外で飼われているマーモットやSNSで国内で飼われているマーモットを見ていたこともあり、僕もマーモットと生活して、小さい頃に見た温かい家族を取り戻したいと思うようになりました。 これらの背景があったため、マーモットに救われている人たちに、マーモットの虐待や密猟の闇を簡単に伝えてしまうと、さらに辛い世界を味わってしまうのではないかと思っていました。僕や家族が絶望のなか、マーモットから生きがいをもらっていたときに、これらの事実を知ってしまっていたら、僕たち家族はすぐにマーモットから目を背け、自分たちが生きることに精一杯になっていたと思います。 以上が、僕が行ってきたマーモットの保護活動と、あえてマーモットカフェという言葉を使い、マーモットの闇を発信するタイミングを考えていた経緯です。このブログを見て、少しでもマーモットの現実を見ていただける方が増えると嬉しいです。ふと、自分の気持ちをアウトプットしようとつづった文章なので、見苦しい文章になっていると思いますが、僕なりの正義、考え方を知っていただけると本望です。...

今日はヒマラヤマーモットの日(Today is Himalayan Marmot Day)

今日はヒマラヤマーモットの日(Today is Himalayan Marmot Day)

1年半、ずっとこの日を待ちわびていました。...

今日はヒマラヤマーモットの日(Today is Himalayan Marmot Day)

1年半、ずっとこの日を待ちわびていました。...

30. 日本初!ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと1日!(30. Japan's First! Only 1 Day Left Until I Welcome the Himalayan Marmot!)

30. 日本初!ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと1日!(30. Japan's Firs...

明日、ついに運命の日がやってきます。最後のカウントダウンをすると決めて、1ヶ月が経とうとしています。この1ヶ月でヒマラヤマーモットをお迎えすることができなければ、お迎えすることを諦めようと思っていました。...

30. 日本初!ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと1日!(30. Japan's Firs...

明日、ついに運命の日がやってきます。最後のカウントダウンをすると決めて、1ヶ月が経とうとしています。この1ヶ月でヒマラヤマーモットをお迎えすることができなければ、お迎えすることを諦めようと思っていました。...

29. 日本初!ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと2日!(29. Japan's First! Only 2 Days Left Until I Welcome the Himalayan Marmot!)

29. 日本初!ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと2日!(29. Japan's Firs...

ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと2日。あと48時間以内には1年半待ったヒマラヤマーモットをお迎えできると思うと、ワクワクと緊張感で胸がいっぱいになります。2023年8月からずっとお迎えしたいと思っていて、毎日ネット上にあるあらゆる情報を調べていました。...

29. 日本初!ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと2日!(29. Japan's Firs...

ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと2日。あと48時間以内には1年半待ったヒマラヤマーモットをお迎えできると思うと、ワクワクと緊張感で胸がいっぱいになります。2023年8月からずっとお迎えしたいと思っていて、毎日ネット上にあるあらゆる情報を調べていました。...

28. ヒマラヤマーモット日本初上陸まであと3日!(28. Only 3 Days Left Until the Himalayan Marmot Arrives in Japan for the First Time!)

28. ヒマラヤマーモット日本初上陸まであと3日!(28. Only 3 Days Left ...

ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと3日。お正月に始まった30日間のカウントダウンですが、まもなく終了します。当時は、本当に実現できるか半信半疑で、この30日間で実現が難しそうだったら、もうヒマラヤマーモットをお迎えすることを諦め、中国の悪質ブリーダー問題に注力しようと思っていました。...

28. ヒマラヤマーモット日本初上陸まであと3日!(28. Only 3 Days Left ...

ヒマラヤマーモットをお迎えするまであと3日。お正月に始まった30日間のカウントダウンですが、まもなく終了します。当時は、本当に実現できるか半信半疑で、この30日間で実現が難しそうだったら、もうヒマラヤマーモットをお迎えすることを諦め、中国の悪質ブリーダー問題に注力しようと思っていました。...